省エネ性能の高い住宅への関心が高まっています。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、政府が省エネ住宅を推進していることなども、その背景にあるようです。
国土交通省では、省エネ住宅を推進する一方で、そうした住宅を住みこなすための25のポイントをまとめ、公開しました。
そのポイントを見ていきましょう。
前提となる断熱性能の高い家とは、断熱等性能等級6以上
国土交通省がまとめた住まい方ガイドでは、断熱性能の高い住宅を、日中の日射しなども活用して、効果的に住みこなす工夫をまとめています。
その前提となる「断熱性能の高い住宅」については、住宅性能表示制度における「断熱等性能等級6以上」の住宅を対象としています。
「断熱等性能等級」とは、国が定める「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にて明示されているもので、住宅の多様な性能のなかで断熱性能を示す指標のことです。
現在は1等級~7等級まであって、等級が高いほど、高い断熱性能を有していることになります。
政府が2025年にすべての新築住宅に適合を義務づける「省エネ基準」のレベルは、「断熱等性能等級4」かつ「一次エネルギー消費量等級4」です。
一般的に、省エネ住宅といえば、この「省エネ基準適合住宅」を指します。
政府はさらに、この省エネ基準を2030年までに「ZEH水準」に引き上げようとしていますが、ZEH水準のレベルは「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」です。
今回のガイドは、それよりもさらに高い断熱性能の「断熱等性能等級6以上」の住宅を前提としています。
この等級になると、省エネだけでなく、住宅内に温度差がない健康的で快適な生活が送れるレベルになります。
かなり高い断熱性能を前提としていることになりますが、住まい方の25のポイントは、そこまで高い性能を有していなくても効果はある内容なので、ぜひ知っておいてほしいです。
ちなみに、「断熱等性能等級」は住宅そのものの断熱性を測るもので、「一次エネルギー消費量等級」は住宅で使うエアコンや給湯器などの効率性や太陽光発電設備などのエネルギー量を総合的に測るものとなっています。
住まい方の25のポイントを一挙に紹介
視点1:熱が逃げない断熱性が高い住宅は季節に応じた日射しのコントロールが大切
①(夏)日射しは冷房の大敵!窓からの日射しをしっかり遮りましょう
②(夏)外出する際は日除けを閉めて熱を入れないようにしましょう
③(冬)日射しは暖房の助っ人!窓からの日射しの熱で家中を暖めましょう
④(春・秋)室温に合わせて窓からの日射しを調整しましょう
視点2:暖冷房機器を適切に運転することで少ない暖冷房エネルギーでも快適に
⑤在宅時、暖冷房設備は風量「自動」で「連続」運転しましょう
⑥断熱性の高い住宅では暖冷房の設定温度を控えめにしましょう
⑦暖冷房機器の定期的なメンテナンスで効率を向上させましょう
⑧冷房運転時に設定温度に到達して除湿機能が働かない場合には除湿モードに切り替えたり除湿機を活用しましょう
⑨外の湿度が高い時には窓を閉めておくようにしましょう
⑩乾燥が気になる場合には適度に加湿しましょう
視点3:断熱性が高い住宅では空間をつなげて気持ち良い空気を家中に
⑪各室の内部ドア等を開けて家中を暖冷房しましょう
⑫扇風機やサーキュレーター等で冷気を家中に回しましょう
⑬サーキュレーターや小さな暖房器具を併用することで家中を暖めましょう
⑭24時間換気設備は常時運転させましょう
⑮外気が快適な場合は窓を開けましょう
⑯室内に熱がこもったら窓を開けましょう
視点4:災害時でも日常生活を維持するために高性能な機能をもしもの備えに
⑰電気・ガスなどのインフラが止まっても在宅避難ができます
⑱太陽光発電の電気を利用しましょう
⑲蓄電池を利用しましょう
⑳エネファーム(家庭用燃料電池)を活用しましょう
㉑給湯機を活用しましょう
断熱性が高い住宅を住みこなすもうひと工夫
㉒室内外の温湿度を確認しましょう
㉓カーテンの設置の仕方、開け閉めで調整しましょう
㉔季節に応じた服装で調整しましょう
㉕植栽で日射しを調整しましょう
たとえ住宅自体の断熱性能が高いとしても、夏の暑い日射しや冬の冷気をそのまま取り込んだり、エアコンの設定温度を適切にしていなかったりすると、無駄なエネルギーを使ってしまうことになりかねなません。
せっかく備わった住宅の性能なので、住み方を工夫してより省エネ性を高めることを考えたほうが良いでしょう。
断熱性能に関するお問い合わせも受け付けておりますので、富士工務店スタッフに是非ご連絡ください。